修飾語とは、辞書では「文の成分の一。ある語句の概念を限定したり、意味をくわしくしたりする語」と定義されている(大辞林)。ここでは、この意味について詳しく解説する。そして、主語と述語との関係や、修飾語と被修飾語の理論、そして良文を書くための修飾語の使い方の原則を解説する。
1. 修飾語とは?小学生でもわかる解説
まず修飾語を小学生でもわかるように、簡単に説明してみよう。修飾語は、主語・述語と比べるとわかりやすいので、早速、その方法で見ていこう。
1.1. 主語と述語と修飾語の比較
主語・述語とはなんだろうか。主語は、「何がどうする」「何がどんなだ」「何がなんだ」の「何が」の部分だ。そして、述語は「どうする」「どんなだ」「なんだ」の部分だ。例えば、「私は考える」という文では、「私は」が主語で、「考える」が述語だ。
なお主語と述語については、それぞれ以下の記事で詳しく解説している。
これらに対して、修飾語は、「いつ」「どこで」「どのような」「なにを」「どのように」という部分のことをいう。例えば、「私は、今日、書斎で新しい構想を静かに考える」という文では、主語と述語を除く全ての言葉が修飾語だ。
このように修飾語は文の意味を具体的にしてくれる。それこそが修飾語の機能だ。そのため、ものごとを正確に伝えたり考えたりしようとするなら、修飾語は欠かすことができない。
2. 修飾語の意味のさらに詳しい解説
ここからはレベルを一つ上げて、修飾語について更に深めていこう。
日本を代表する国語辞典である『日本国語大辞典(通称:ニッコク)』では、修飾語は次のように定義されている。
文の成分の一つ。ある語句の概念内容、または陳述の態度について意味上の限定を与える。大別して体言に対する修飾語を連体修飾語(または、形容詞的修飾語)、その他の修飾語を連用修飾語(または、副詞的修飾語)という。日本語では、修飾語は被修飾語に先行するのを原則とする。
日本国語大辞典
要するに修飾語とは、ある語句に対して意味上の限定を与える語句のことだ。「意味を限定する」というのは聞き慣れないが、これはつまり「意味を具体的にする」ことだと理解すれば良い。
たとえば単に「花」というと、世界中のすべての花を意味することになる。しかし、「庭先の花」とか「一輪の花」「赤い花」というように修飾語をつけることで、どこのどのような花を話題にしているのかという共通認識を示すことができる。これが「意味を限定する」ということだ。
そして、修飾語には体言(※名詞)にかかる「連体修飾語」と、用言(※動詞や形容詞、形容動詞)にかかる「連用修飾語」がある。
この二つを理解するには、修飾語と被修飾語について知っておく必要がある。
2.1. 修飾語と被修飾語とは
修飾語は、かならず被修飾語と対になって働く。
被修飾語とは何だろうか。それは文字通り「修飾される語」のことだ。修飾語は「意味を限定する語句」なので、被修飾語は「意味を限定される語句」という殊になる。
たとえば「赤い花」という言葉では、下図のように、「赤い」という語句が「花」の意味を限定している。反対に、「花」という語句は、「赤い」という語句によって限定されている。そのため「赤い」が修飾語で、「花」が被修飾語だ。
なお「限定している・限定されている」という言葉は冗長なので、「かかる・受ける」と言われる。そして、この「かかり受け関係」のことを「修飾・被修飾関係」という。
2.2. 連体修飾語と連用修飾語とは
さて、ここで「連体修飾語」と「連用修飾語」に戻ろう。それぞれの違いは次の通りだ。
- 連体修飾語:体言(※名詞)にかかる修飾語
- 連用修飾語:用言(※動詞や形容詞など)にかかる修飾語だ。
例えば、「花」は体言なので、これにかかる「赤い」や「一輪の」といった修飾語は連体修飾語だ。一方で、動詞の「走る」や形容詞の「美しい」は用言なので、「速く走る」「とても美しい」の「速く」や「とても」は連用修飾語だ。
以上が修飾語だ。以下にポイントをまとめておこう。
- 修飾語は、被修飾語の意味を限定して、具体的にする働きをする。
- 名詞にかかる連体修飾語と、動詞・形容詞にかかる連用修飾語がある。
補足1. 主語は修飾語の一つ?
主語は修飾語とは異なる言葉だと考えがちだが、実は、主語は述語を修飾する連用修飾語の一種であるという考え方が有力になってきている。興味がある方はボックスをクリックして読んでみよう。
補足2. 修飾句とは・修飾節とは
もう一つ、「修飾節」という概念についても触れておこう。この概念を知っておくと、後に解説する、わかりやすい文を書くための修飾語の使い方の理解にも役立つ。
3. 理解が深まる修飾語問題四選
それでは、いくつか修飾語の例文問題を解くことで、上で得た知識を実践に落とし込んでいこう。
- 白い雲が浮かんでいる。
これは簡単だ。「白い」が修飾語で、「雲」が被修飾語だ。
- すきとおるような青い空に白い雲が浮かんでいる。
答えは、「すきとおるような」と「青い」が「空に」にかかる修飾語で、「白い」が「雲が」にかかる修飾語だ。被修飾語は「空に」と「雲が」だ。
- 空に浮かぶ白い雲を突風が吹き飛ばした。
※修飾節とは一個以上の述語を含む修飾語のこと。
正解は、「空に浮かぶ」が修飾節、「白い」が修飾語、「雲」が被修飾語だ。さらに、修飾節の中で「空に」は「浮かぶ」を修飾している。
- 空に浮かぶ白い雲を突風があっという間に吹き飛ばした。
正解は、「空に浮かぶ」と「白い」がともに「雲」にかかる連体修飾節と連体修飾語だ。そして、「あっという間に」は「吹き飛ばした」にかかる連用修飾語だ。
以上、修飾語・修飾節・被修飾語・連体修飾語・連用修飾語をしっかりと把握できるようになっておこう。
3. 良文を書くための修飾語の四原則
修飾語の知識として、わかりやすい文を作るための修飾語の使い方を欠かすことはできない。
書籍でもインターネット上でも、修飾語の並べ方が誤っていることが原因で、わかりにくくなっていたり、意味が違ってしまっている文を見ることは多い。例えば、私が目にしたことがある文の中で、次のようなひどいものがあった。
- チリの女性は、アルゼンチンの肉をたっぷり食べている女性にくらべると、ぐっと小柄である。
これでは、チリの女性は、アルゼンチン産の肉を食べている女性より小柄であるという意味のわからない文になってしまっている。正しくは次のように書かなければいけない。
- 肉をたっぷり食べているアルゼンチンの女性とくらべると、チリの女性はぐっと小柄である。
最初の文のような、誤った修飾語の使い方をしているようでは、正確にコミュニケーションをすることができないし、様々なものごとを頭の中で論理立てて考えることもできない。
そこで、ここでは修飾語の正しい使い方を解説する。修飾語には、わかりやすい文を作るための四つの原則がある。
- 修飾節を先に修飾句を後に
- 長い修飾語を前に短い修飾語を後に
- 主題との関連度が高いものから低いものへ
- 親和度の高い言葉を遠ざける
結論から言うと、第一原則と第二原則が特に重要で、この二つだけで九割方はうまく対応できる。第三原則と第四原則は、第一原則と第二原則だけではうまくいかなかい場合に使う例外的な原則だ。そのため、まずは上二つの原則をしっかりと覚えておくと良い。
それでは、それぞれ見ていこう。
3.1. 修飾節が先、修飾句が後
わかりやすい文を作るための、修飾語の第一のルールは「修飾節が先、修飾句が後」だ。おさらいだが、「修飾節」とは一個以上の述語を含む修飾語で、「修飾句」とは述語を含まない修飾語のことだ。
例えば、「娘」を形容する次の修飾語があるとする。
- 色が白い娘
- ワンピースを着た娘
- 美しい娘
これらの三つの修飾語をすべてまとめて、「色が白くて、ワンピースを着ていて、美しい娘」という意味の文を作るには、どう組み合わせばいいだろう。
まず、そのまま順番通りに並べてみるとつぎのようになる。
- (A). 彼女は色が白いワンピースを着た美しい娘だ。
これでは、「色が白い」という言葉が「ワンピース」にかかってしまっている。そのため美しい娘が、色が白いワンピースを着ていることになる。
それでは反対から並べてみるとどうだろう。
- (B). 彼女は美しいワンピースを着た色が白い娘だ。
こんどは「美しい」が「ワンピース」にかかっているため、色が白い娘が美しいワンピースを着ていることになる。
このように同じ修飾語を使っているとしても、並べる順序によって文の意味がまったく違ってくる。
それでは他の並べ方ではどうだろう。残りの組み合わせを以下に挙げてみよう。
- (C). 彼女は色が白い美しいワンピースを着た娘だ。
- (D). 彼女はワンピースを着た美しい色が白い娘だ。
- (E). 彼女はワンピースを着た色が白い美しい娘だ。
- (F). 彼女は美しい色が白いワンピースを着た娘だ。
こうして見てみると全部で六種類の並べ方のうち、もともと意図していた通りの意味である、「色白で、ワンピースを着ていて、美しい娘」を表しているのは(E)だけであることがわかる。これが、わかりやすい文を作るために守るべき第一原則、「修飾節が先、修飾語が後」だ。
なお(E)だけでなく(D)も、このルール通りになっている。しかし、(D)には明らかに問題がある。一瞬、「美しい」が「色」にかかっているように誤認してしまう恐れがあるのだ。この問題については、第四原則で触れる。
3.2. 長い修飾語が先、短い修飾語が後
わかりやすい文を作るための修飾語の第二のルールは「長い修飾語が先、短い修飾語が後」だ。
たとえば、走るさまを形容するつぎのような修飾語があるとする。
- 速く走る
- 腕を振って走る
- 止まらずに走る
まず、「腕を振って」は修飾節なので、長さに関わらず先頭に置く。次に、「止まらずに」と「速く」では、前者の方が長いので前に置く。そうすると次のようになる。
- (A). 彼は腕を振って止まらずに速く走る。
これがもっとも自然でわかりやすい文だ。確認のために他の並べ方と比べてみよう。
- (B). 彼は腕を振って速く止まらずに走る。
- (C). 彼は速く腕を振って止まらずに走る。
- (D). 彼は止まらずに腕を振って速く走る。
- (E). 彼は止まらずに速く腕を振って走る。
- (F). 彼は速く止まらずに腕を振って走る。
これらは明らかに意図する意味と違う文になっている。
たとえば(B)は、「速く」が「止まらずに」にかかっているため、意味がよくわからない。(C)は、「速く」が「腕を振って」にかかっており、速いのは走るスピードではなく、腕を振る動作になっている。(D)は、「止まらずに」が「腕を振って」にかかっており、腕を振る動作は止まらないが、走る動作は止まるようにも思われる。(E)と(F)も同様に意図した意味の文にはなっていない。
こうして見比べてみると、わかりやすい文を作るために守るべき第二原則、「長い修飾語が先、短い修飾語が後」に則った(A)だけが、意図した意味の文になっていることがわかる。
他にも例を見てみよう。つぎの修飾語は、どのように組み合わせればいちばんわかりやすいだろうか。
- 私が大嫌いなハナコさんを紹介した
- 親友のタロウ君が紹介した
- タカシ君に紹介した
これはすべてが修飾句なので、第一原則については気にする必要はない。そのため、第二原則を適用して、長いものから順に連結していけば良い。
- (A). 私が大嫌いなハナコさんを親友のタロウ君がタカシ君に紹介した。
この文がわかりやすい事は、反対に短いものから順に連結したものと比べると明らかだ。
- (B). タカシ君に親友のタロウ君が私が大嫌いなハナコさんを紹介した。
それでは、修飾語を次のように変えてみたらどうだろう?
- ハナコさんを紹介した。
- 親友のタロウ君が紹介した。
- 私が大嫌いなタカシ君に紹介した。
面白いことに、先ほどはもっともわかりにくかった並びが、今度はもっともわかりやすくなる。
- (A). 私が大嫌いなタカシ君に親友のタロウ君がハナコさんを紹介した。
反対に、先ほどはもっともわかりやすかった並びが、もっともわかりにくくなる。
- (B). ハナコさんを親友のタロウ君が私が大嫌いなタカシ君に紹介した。
補足
第一原則と第二原則の優先順位
改めて強調しておくと、第一原則と第二原則では、第一原則を優先する。つまり、たとえ、修飾語が修飾節より長いとしても、修飾節を先に書く。そして、その後で、第二原則を適用する。
第二原則の例外①(読点を使う方法)
第二原則には例外もある。読点を使えば、主語は長さに関わらず先頭に出しても違和感がなくなる。例えば、「タロウ君が、私が大嫌いなハナコさんを親友のタカシ君に紹介した」という文は第二原則の通りではないが、とてもわかりやすい。これについては、「読点の使い方」の記事で別途解説することにする。当記事ではあくまでも修飾語の並びだけを論点とすることにする。
第二原則の例外②(連続する言葉の親和性が高い場合)
連続する言葉の親和性が高い場合、つまり、そのままの並びでは読み誤る可能性がある場合、第四原則を適用する。これについては後述する。
3.3. 主題との関連度が高い修飾語が先
修飾語の第三原則は、「主題と関連が高い修飾語が先、低い修飾語が後」だ。これは、修飾語の長さにほとんど差がない場合に使うルールだ。例として、つぎの文を考えてみよう。
- ヒロ君がけがをした。
- 左手にけがをした。
- カッターでけがをした。
これは「けがをした」という述語に対して、長短の差がない三つの修飾語がかかっている。これの可能な並べ方は以下の通りだ。
- (A). ヒロ君が左手にカッターでけがをした。
- (B). ヒロ君がカッターで左手にけがをした。
- (C). 左手にヒロ君がカッターでけがをした。
- (D). 左手にカッターでヒロくんがけがをした。
- (E). カッターでヒロくんが左手にけがをした。
- (F). カッターで左手にヒロ君がけがをした。
この中では(A)がもっともわかりやすい。(B)も悪くはない。しかし、ほかの四つは明らかに問題がある。
他にも、つぎの例を見てみよう。
- 真っ青な大空に消えていった。
- 赤色の風船が消えていった。
- 小さな点となって消えていった。
これらもすべて長さが同じ三つの修飾語が述語にかかっている。並べ替えてみよう。
- (A). 真っ青な大空に赤色の風船が小さな点となって消えていった。
- (B). 真っ青な大空に小さな点となって赤色の風船が消えていった。
- (C). 赤色の風船が真っ青な大空に小さな点となって消えていった。
- (D). 赤色の風船が小さな点となって真っ青な大空に消えていった。
- (E). 小さな点となって赤色の風船が真っ青な大空に消えていった。
- (F). 小さな点となって真っ青な大空に赤色の風船が消えていった。
こんどは(C)が明らかにわかりやすい。一方で、(E)と(F)には明らかに問題がある。
これはなぜだろうか?答えは、わかりやすい文は、その文で伝えようとしている主題との関連度が高いものから順に並んでいるからだ。「主題」とは基本的に、主語と述語で示されているものごとのことだ。
例えば、最初の文では主語は「ヒロ君が」で述語は「けがをした」だ。つまり、この文の主題は「ヒロ君がけがをした」だ。それでは、「左手に」と「カッターで」はどちらの方が主題に近いだろう。答えは「左手に」だ。なぜなら、「左手に」は「ヒロ君がけがをした様子」を表す言葉であり、「カッターで」は「左手にけがをした様子」を表す言葉だからだ。
二つ目の文では、主題は「赤色の風船が消えていった」だ。「真っ青な大空に」と「小さな点となって」は赤色の風船が消えていく様子を表しているものに過ぎない。それでは「真っ青な青空に」と「小さな点となって」はどちらのほうが大きな状況を表しているだろうか。答えは「真っ青な大空に」だ。なぜなら、この言葉は、主題である赤色の風船が消えていった様子をくわしくしているからだ。一方で、「小さな点となって」は真っ青な大空の中でどのように消えていったのかをくわしくしているからだ。
関連度というと、ちょっと抽象的な概念なので慣れないかもしれないが、練習を積むうちにはっきりとわかるようになる。
補足:第三原則は第一原則と第二原則を使えない場合のみ使う
なお、この第三原則は、第一原則と第二原則を使えない場合にのみ使うものであるため、重要度は高くない。
ここで見てきた二つの文でも、第一原則か第二原則が使える場合は、全く問題がなくなる。たとえば、「カッターで」を「買ったばかりのカッターで」にしたり、「小さな点となって」を「砂粒のように小さな点となって」としたりすると、以下のように第二原則によって、主題との関連度が低い言葉を文頭に置いても違和感がなくなる。
- 買ったばかりのカッターでヒロ君が左手にけがをした。
- 砂つぶのような小さな点となって赤色の風船が真っ青な大空に消えていった。
このように、先ほどはもっともわかりにくかった並びが、こんどはもっともわかりやすくなる。
3.4. 親和度の高い言葉を遠ざける
修飾語の第四原則は、「親和度の高い言葉を遠ざける」だ。
まず、次の文を見てみて欲しい。
- 穏やかな太陽がもえる若葉にうるおいを与えた。
この文は、一見すると問題なさそうだが、じつは「もえる」が「太陽が」を受けているように見えるため、誤って太陽が燃える様を連想させてしまう可能性がある。
しかし以下で示す通り、「穏やかな太陽」が「ふりそそぐ雨」になっている場合は、そうした誤解の可能性がなくなる。雨はもえないからだ。
- ふりそそぐ雨がもえる若葉にうるおいを与えた。
つまり、「太陽」と「もえる」は親和度が高く、「雨」と「もえる」は親和度が高いということだ。これが言葉の親和性だ。このように、複数の修飾語の中に親和性が高い何らかの言葉が入っていると、誤解をうむ可能性が高くなる。
第一原則のところで残していた以下の文がよくないのも、この第四原則によるものだ。
- 彼女はワンピースを着た美しい色が白い娘だ。
このような場合は第一から第三の原則に背いたとしても、親和度の高い言葉を遠ざけた方がわかりやすい。たとえば次のようにだ。
- もえる若葉に穏やかな太陽がうるおいを与えた。
補足:修飾語の並びを変えるよりも語句の表記を変える方が良い
ただし、第四原則を使わなければいけないケースは、ほとんどない。それよりもまず、語句の工夫を考えるべきだからだ。例えば、「もえる」を「萌える」と漢字にしたり、同じような意味をもつ別の言葉に変えてやればいい。
- 穏やかな太陽が萌える若葉にうるおいを与えた。
- 穏やかな太陽がみどりの若葉にうるおいを与えた。
この第四原則まで意識できるようになれば、一つの文を書くことにおいては、中級者の上のレベルにあると言えるほどの腕前になる。
以上が、わかりやすい文を作るための修飾語のルールだ。
4. まとめ
最後に重要なポイントを簡潔にまとめておこう。
まず、修飾語とは、「どの」「いつ」「どこで」「なにを」「どのように」という部分のことをいう。「何がどうする」「何がどんなだ」「何がなんだ」という主語と述語に対して、修飾語をつけることで、その文の意味が限定され、よりわかりやすくなる。これが修飾語の働きだ。
厳密に定義するなら、修飾語とは、「ある語句の意味を限定したり、くわしく示したりするために付け加える語」のことだ。修飾語は常に被修飾語とペアになって機能する。そして、被修飾語が体言(注:名詞)場合は「連体修飾語」と呼ばれ、被修飾語が用言(注:動詞や形容詞)の場合は「連用修飾語」と呼ばれる。
文章の読解力を鍛える上では、文において、何が主語で、何が述語で、何が修飾語・被修飾語なのかを、しっかりと区別できるようになることが大切だ。
作文能力を向上させる上では、以下の修飾語の四つのルールを使いこなせるようになることが大切だ。
- 修飾節を先に修飾語を後に
- 長い修飾語を前に短い修飾語を後に
- 主題との関連度が高いものから低いものへ
- 親和度の高い言葉を遠ざける
以上が、修飾語について抑えておきたい知識のすべてだ。実践で活かせるように、これらの知識をベースに、様々な文章を読んだり、作文したりしていこう。
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