関数は、プログラミングの中でよく使う処理方法が設定されているもので、これを使いこなすと様々な処理を、素早く効率的に実行することができます。
ここでは、Pythonの関数の入門として、
- Pythonの関数の基本書式(引数、返り値、戻り値)
- Pythonの数値計算に使う組み込み関数一覧
- Pythonの文字列に使う組み込み関数一覧
- Pythonの入出力に使う関数一覧
を解説していきます。
1. Pythonの関数の基本書式
関数は、max()、str() のように関数名に () をつけて呼び出します。基本的に、全ての関数は、以下の書式になっています。
関数名(引数1, 引数2, 引数3)
1.1. 引数(ひきすう)とは
「引数(ひきすう)」は、単純に、()の中に入れる値のことです。複数の引数がある場合は、引数同士をカンマで区切ります。記述する引数の種類は関数によって違い、中には、引数のない関数もあります。
1.2. 返り値、戻り値とは
関数で処理された結果、返ってくる値を「戻り値」または「返り値」といいます。例えば、max() は、以下のように、 () の中に入っている値のうち、最大値のものを抜き出すことができる関数です。
max(3, 5, 2) #3, 5, 2 の中から最大値を抜き出す関数
1.3. Pythonの組み込み関数について
これらのようにPythonに標準でインストールされていて、すぐに使える関数を「組み込み関数」といいます。
組み込み関数には、
- 値を出力する関数:print()
- 型を調べる関数:type()
- 型変換で使う関数:str(), int(), float(), bool()
- 数値のn進数を変換するもの:bin(), oct(), hex()
など様々なものがあります。
それぞれ、「Pythonのprint()関数」、「Pythonの型の確認/変換方法」で解説しているので目を通しておいてください。
次から、Pythonの様々な組み込み関数を見ていきましょう。
2. Pythonの数値計算に使う関数一覧
数値計算に使う組み込み関数には次のようなものがあります。
関数 | 説明 |
abs(数値) | 数値の絶対値を求める |
divmod(数値a, 数値b) | aをbで割った結果を(商, 余り)のタプルで返す |
max(数値a, 数値b, 数値c) | 数値の最大値を求める |
min(数値a, 数値b, 数値c) | 数値の最小値を求める |
pow(x, y) | xのy乗を求める |
pow(x, y, z) | xのy乗をzで割った余りを求める |
round(数値, 桁数) | 数値を指定の桁数に丸める。桁数を省略すると整数に丸める。切り上げ、切り捨ての差が同じ場合は偶数側に求める(2.5は2に、3.5は4になる) |
いくつか見ていきましょう。
abs() はabsolute(絶対数)の略で、絶対値を求めたい時に使います。
abs(-3.5)
max() や min() はそれぞれ最大値(maximum)、最小値(minimum)を求めます。引数の個数は何個あっても構いません。
min(-3.5, 5, 10, 9, -12.5)
引数に変数を設定したり、関数同士を組み合わせることもできます。例えば、以下のようにすると、変数 x の値を5以上10以下におさめることができます。
x = 13
#min によってxの上限が10になり max によって下限が5になります。
x = max(5, min(10, x))
x
round()関数では、桁数を指定の位置まで丸めることができます。まず、桁数を指定しなければ、小数点以下が丸められて整数になります。
round(3.65)
以下では、桁数を指定して小数点以下1位に丸めています。
round(3.65, 1)
通常の四捨五入では 3.7 になりますが、Pythonでは、切り上げと切り下げの差が同じ場合(この場合はどちらも0.05の切り上げ及び切り下げ)、偶数側に丸められるので、3.6 と出力されます。
3. Pythonの文字列に使う関数一覧
文字列に使う関数には以下のようなものがあります。
関数 | 説明 |
chr(整数) | 整数が示す Unicode を文字列で返す |
ord(1文字) | 文字に対応する Unicode を調べる |
len(文字列) | 文字列の文字数を求める |
str(値) | 値を文字列に変換する |
それぞれ見ていきましょう。
chr() と ord() は逆の変換を行います。以下をご覧ください。
まず、文字を Unicode に変換して、次にその Unicode を文字列に戻しています。
ord("a")
chr(97)
ord("海")
chr(28023)
len() を使うと文字数を数えることができます。半角英数字だけでなく「かな」や漢字などの2バイト文字も1文字として数えます。
len("Python")
len("パイソン")
ちなみに、len() は、リストや辞書などの要素の数を数えることもできます。それぞれ、「Pythonのリスト」「Pythonの辞書」をご覧ください。
str() は値を文字列に変換します。Pythonでは、通常、数値と文字列を連結するとタイプエラーが発生します。それを防ぐために、まず数値を文字列に変換してから、別の文字列と連結します。
これについては、「Pythonの演算子」でも触れていますのでご確認ください。
kosuu = len("Python")
answer = "Pythonの文字数は" + str(kosuu) + "個です。"
answer
4. Pythonの入出力に使う関数
次に、入出力に関する関数も見てみましょう。
関数 | 説明 |
input(文字列) | キーボードからの入力を受け取る。文字列はプロンプトとして表示される |
open() | テキストファイルを開く |
print(値, sep=文字列, end=文字列) | 値を出力する |
これも見ていきましょう。
input() を使うと、挿入する値が、キーボードからの入力待ちになります。この時、入力した値を受け取ります。Pythonでは以下のようにプロンプトが表示され、キーボードからの入力待ち状態になります。
value = input("")
この時、キーボードから文を入力すると、それが変数のvalueに組み込まれます。
print()関数については、「Pythonのprint()関数」で詳しく解説しています。
open()については、おいおい解説を書き加えたいと思います。
5. まとめ
Pythonの関数については、他にも「関数の定義」や「関数の呼び出し」「複数の戻り値を返す方法」など、知っておくことはありますが、初級編としては、ここに書いていることで十分でしょう。
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