Generator.beta は、NumPyでベータ分布から乱数配列を生成するための、randomモジュールのジェネレータメソッドです。
ベータ分布は特別なケースのディリクレ分布であり、ガンマ分布とも関係しています。ベイズ推定や順序統計量においてよく見られます。
このページでは、このGenerator.betaについて解説します。なお、同じ操作をするのに今までは、np.random.beta 関数を使っていましたが、現在ではGenerator.betaが推奨されています。
1. 書式
書き方:
Generator.beta(a, b, size=None)
パラメーター:
a: float or array_like of floats アルファ(>0) |
b: float or array_like of floats ベータ(>0) |
size: int or tuple of ints, optioal 出力する配列のshapeを指定。デフォルトのNoneでは乱数を1つ返す。その他の場合は、np.broadcast(a, b).sizeの乱数を取得。 |
戻り値:
out: ndarray or scalar 指定したパラメータのベータ分布から乱数を取得 |
2. サンプルコード
まずは、random.default_rng コンストラクタでジェネレータオブジェクトを作成します。『numpy.random.default_rng – 乱数生成のためのジェネレータオブジェクトの作成』に目を通しておいてください。
import numpy as np
rng = np.random.default_rng()
# >>> ジェネレータオブジェクト rng を作成
rng
こうして作成したジェネレータオブジェクト rng に対して、Generator.beta を呼び出します。その際、第一引数にa、第二引数にb、第三引数にsizeを渡します。
rng.beta(1, 2, 10)
以下に、さまざまな(a, b)を指定した際の確率分布をヒストグラムで描いています。
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
rng = np.random.default_rng()
plt.subplot(221)
s = rng.beta(1., 1., 10000)
count, bins, ignored = plt.hist(s, 30, density=True)
plt.title('a=1., b=1.', fontsize=12)
plt.subplot(222)
s = rng.beta(10., 10., 10000)
count, bins, ignored = plt.hist(s, 30, density=True)
plt.title('a=10., b=10.', fontsize=12)
plt.subplot(223)
s = rng.beta(2., 3., 10000)
count, bins, ignored = plt.hist(s, 30, density=True)
plt.title('a=2., b=3.', fontsize=12)
plt.subplot(224)
s = rng.beta(3., 2., 10000)
count, bins, ignored = plt.hist(s, 30, density=True)
plt.title('a=3., b=2.', fontsize=12)
plt.tight_layout()
plt.show()
3. まとめ
以上がGenerator.betaです。繰り返しになりますが、これまで使われていたnp.random.beta 関数は継続して使用可能ですが、Generator.betaメソッドを使った方が遥かに高速で科学技術計算に適しています。今後は、ベータ分布から乱数を生成する際は、こちらを使うようにしましょう。
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