1. ホーム
  2. プログラマーのための線形代数
  3. ベクトルの演算
  4. ベクトルの足し算

ベクトルの足し算

線形代数においてベクトルの足し算は、もっとも基本的な演算の一つです。このページではベクトルの足し算について以下のことを解説します。

当ページでわかること

  • ベクトルの足し算とは何か
  • ベクトルの足し算のやり方
  • Pythonでベクトルの足し算
目次

ベクトルの足し算とは

ベクトルとは」では、プログラマーにとってベクトルはデータであり数値のリストであるということを解説しました。物理学や数学ではベクトルは「長さと向きをもつ矢印」であると考えますが、データサイエンスにおいては単なるデータです。

これ以上でも以下でもありません。

そのため物理学や数学では、ベクトルの足し算は 2 つの矢印から新しい別の矢印を作るものですが、プログラマーは基本的にそのように幾何学的に考えることはありません。

私たちプログラマーにとってベクトルの足し算とは、「機械学習のためのデータの準備などの何らかの目的で、同じサイズのベクトル(データ)同士を足し合わせて、同じサイズの新しいベクトル(データ)を作る手段」に過ぎないのです。

ベクトルの足し算のイメージ

以上がプログラマーにとってのベクトルの足し算です。

ベクトルの足し算のやり方

ベクトルの足し算のやり方は非常に簡単です。以下の 2 つのベクトル \(a\) と \(b\) を足し算すると、それぞれ同じ場所の要素同士が足し合わされます。

\[\begin{eqnarray}
a&=&
\begin{pmatrix}
a_1 & a_2 & a_3
\end{pmatrix}\\
b&=&
\begin{pmatrix}
b_1 & b_2 & b_3
\end{pmatrix}\\
a+b&=&
\begin{pmatrix}a_1+b_1 & a_2+b_2 & a_3+b_3\end{pmatrix}
\end{eqnarray}\]

たとえば、次のようになります。

\[\begin{eqnarray}
a&=&
\begin{pmatrix}
1 & 2 & 3
\end{pmatrix}\\
b&=&
\begin{pmatrix}
4 & 5 & 6
\end{pmatrix}\\
a+b&=&
\begin{pmatrix}
5 & 7 & 9
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}\]

なおベクトルの足し算はお互いの要素の数が同じである場合のみ可能です。お互いのベクトルの要素の数が異なる場合は足し算はできません。

Pythonでベクトルの足し算

Python では NumPy で作成した配列同士を + 演算子で繋ぐことでベクトルの足し算ができます。以下のコードをご覧ください。

In [1]:
# NumPy のインポート
import numpy as np
# 1つ目のベクトルの定義
a = np.array([1, 2, 3])
print(a)
[1 2 3]
In [2]:
# 2つ目のベクトルの定義
b = np.array([4, 5, 6])
print(b)
[4 5 6]
In [3]:
# ベクトルの足し算
c = a + b
print(c)
[5 7 9]

簡単ですね。


一緒に読んでおきたいページ