行列のスカラー倍は、線形代数において基本的な行列の演算の一つです。当ページでは、これについて以下のことがわかります。
このページでわかること
- 行列のスカラー倍とは何か
- 行列のスカラー倍のやり方
- Python で行列のスカラー倍
目次
行列の割り算とは何か
「行列とは」で述べた通り、行列はベクトルを変換するための写像(関数)です。そして行列のスカラー倍は、何らかの目的で、対象の関数の効き具合を \(s\) 倍するというものです。これも \(\cdot\) 演算子を使って表記します。
以上が行列のスカラー倍です。
行列のスカラー倍のやり方
行列のスカラー倍の計算結果は行列のそれぞれの要素がスカラー倍されたものになります。
\[\begin{eqnarray}
A=
\begin{pmatrix}
a_{1,1}
&
a_{1,2}\\
a_{2,1}
&
a_{2,2}\\
a_{3,1}
&
a_{3,2}
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}\]
\[\begin{eqnarray}
A \cdot s=
\begin{pmatrix}
a_{1,1} \times s
&
a_{1,2} \times s\\
a_{2,1} \times s
&
a_{2,2} \times s \\
a_{3,1} \times s
&
a_{3,2} \times s
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}\]
例えば次のようになります。
\[\begin{eqnarray}
2
\cdot
\begin{pmatrix}
1
&
2\\
3
&
4\\
5
&
6
\end{pmatrix}
=
\begin{pmatrix}
2
&
4\\
6
&
8\\
10
&
12
\end{pmatrix}
\end{eqnarray}\]
Pythonで行列のスカラー倍
Python では NumPy の配列とスカラーを * 演算子でつなぐことで求められます。
In [1]:
# NumPy のインポート
import numpy as np
# 行列の定義
A = np.array([[1,2],[3,4],[5,6]])
print(A)
In [2]:
# スカラーの定義
b = 2
print(b)
In [3]:
# 行列とスカラーの積
C = A * b
print(C)