当ページでは、arctanの微分公式について、誰でもわかるように幾何学的なイメージを用いて解説していきます。
なお、先に tan 関数と 逆関数について理解しておくことが必要です。これらについては、以下のページで解説していますので、ぜひ併せてご確認ください。
それでは始めましょう。
1. arctanとは
最初に arctan についておさらいしておきましょう。
arctan は tan の逆関数であり、tan-1 と表記する場合もあります。以下の画像で示している通り、これらの関数は y=tan(θ)↔θ=arctan(y) という関係にあります。

つまり arctan とは、tan(θ) の値からラジアンである θ を求める関数です。
これらの関数をグラフに描くと、以下のように y=x の直線を挟んで対称になっていることがわかります。

そして、arctanと三角関数には以下のような関係がありますので、確認しておきましょう。
arctan と三角関数の関係
- tan(arctanx)=x
- cos(arctanx)=1√1+x2
- sin(arctanx)=x√1+x2
これらは暗記する必要はありません。以下の画像のように、ラジアンが θ、tan(θ) が x の単位円上の直角三角形をイメージすると、ピタゴラスの定理から簡単に求めることができます。

2.arctanの微分
それでは、arctanの微分はどうなるでしょうか。結論から言うと、以下のようになります。
arctan の微分
arctan′(x)=11+x2
y=tan(x)、x=arctan(y) であることを考えれば、これは逆関数の微分公式を使うと簡単に求めることができます。
以下の通りです。
arctan の微分の証明(逆関数の微分公式より)
arctan′(y)=1tan′(x)=11cos2(x)=cos2(x)
これは arctan′(y) なので arctan′(x) に変換します。そのために両辺の x を arctan(x) に変換します。
arctan′(tan(x))=cos2(x)→arctan′(tan(arctan(x)))=cos2(arctan(x))→arctan′(x)=1(√1+x2)2=11+x2
以上。
このように arctan の微分は三角関数と逆関数を理解していれば、簡単に導き出すことができます。丸暗記するよりも、こうやって自分自身で導出できるようになることを目指しましょう。
3. arctanの微分まとめ
以上が arctan の微分です。
繰り返しになりますが、これは必ずしも暗記しなければいけないものではありません。暗記よりもむしろ、基礎である三角関数の微分と、逆関数の微分をしっかりと理解して、自ら導き出せるようになることが大切です。
ぜひ、参考にして頂ければと思います。
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